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【特集】ヒヴァ常設写真展オープン記念:写真家 秋野深氏インタビュー「ウズベキスタンとの縁」(前半)
長年ウズベキスタンの撮影を続け、ウズベキスタンでの写真展開催など、精力的にご活躍中の写真家・秋野深氏は、2024年4月に世界文化遺産ヒヴァ・イチャンカラのタシュハウリ宮殿にて常設写真展をオープンされました。
そのすべてが、繊細で上品、そして時にダイナミックさも感じる美しい作品ばかりで、秋野深氏の写真に魅せられた方も多いのではないでしょうか?
秋野深氏にとってのウズベキスタンの魅力、ウズベキスタンを撮影したきっかけなどをお伺いしてみました。
とても気さくで優しい雰囲気を持ち合わせていらっしゃる秋野深氏ならではの、浪漫溢れるストーリーです。
Contents
1.ウズベキスタンを撮り始めたきっかけは、何でしょうか?
子供の頃から様々な文化が混在するシルクロードのエリアに興味があって、初めてウズベキスタンを訪れたのは90年代の後半のことです。でもその時はまだ写真家ではなくバックパッカーとしてでした。
その後、イラン、シリア、ヨルダン、中国の新彊ウイグル自治区、アメリカなど様々国を旅して写真や執筆を生業にするようになって、プロの写真家としてウズベキスタンを訪れたのは2000年代半ばです。
以降はコロナ禍を除いて毎年のようにウズベキスタンを訪れています。
今考えてみると、初めて一眼レフを手にして海外に出かけたのは最初のウズベキスタンの旅でしたし、その頃からとりつかれたように旅をして写真を撮ったり文章を書いたりするようになりましたので、写真家になるきっかけの旅だったと言えるのかもしれません。
― ウズベキスタンで、一眼レフで最初に撮った写真で印象に残ったものは何でしょうか?
1990年代後半から2000年代初頭にかけて、自分でホームページ作成ができるようになったタイミングで、私も自身のホームページを作成し始めていました。
当時はまだ会社員で、会社員が有給を取ってバックパッカーで出かけた旅行で撮影した写真を、ホームページに公開していました。ある日、とある海外のIT企業から、自社の会社のカレンダーにそのホームページに公開していた写真を使いたいと連絡をいただいたのですが、それは、「レギスタン広場」の写真でした。
他人から、さらに海外の方からも自分の写真を見られるということ、自分の写真を購入して何かに掲載してくれるという人がいたこと、次の新たなステップへと考えることのできた機会でもありました。
そういう意味でも、自分にとっては象徴的な出来事でした。
― ウズベキスタンに最初に行った時の印象はいかがでしたでしょうか?
当時はまだ全く情報がなく、行くだけで大変、子供の頃から知っていた「シルクロード」のイメージだけで訪れました。
バックパッカーの旅を始めてからまだそれほど慣れていない時期にウズベキスタンを訪れましたが、現地の人と旅人との距離感が近いと感じたのが印象的でした。
まだ英語もそれほど通じない状況でしたが、言語のコミュニケーションでも、現地の人が必ず助けてくれました。よく言われるウズベキスタンの「人懐っこさ」を実感し、その「人懐っこさ」の良さ、1対1で接した時のウズベキスタンの人の優しさが、その後ウズベキスタンへ再び訪れることに繋がったかと思います。
最初にレギスタン広場を見た時は、子供の頃から憧れのイメージを抱いていた場所に「ついに来た!」という言葉では何とも言えない感動を、今でも鮮明に覚えています。
― またウズベキスタンを訪れようと思った理由は何でしょうか?
元々シルクロードには強い興味があり、そして初めて訪れたイスラム圏の国がウズベキスタンでした。
初めてウズベキスタンを旅した後、他のイスラム圏の国も見てみたくなり、イランや新疆ウイグル自治区にも訪れました。新疆ウイグル自治区では、6~7週間滞在し、滞在中にウイグル語も勉強しました。
ウイグル語とウズベク語が似ていることを知り、「ウズベキスタンへもう一度行ったら、言語でのコミュニケーションが取れるかもしれない。今度はプロの写真家として行ってしっかり撮影してみたい。」と思い、再訪しました。
2.ウズベキスタンでの活動が多い印象がありますが、これまでの現地でどのような活動をされたのでしょうか?
日本でウズベキスタンを紹介するイベントでの写真展やトークイベントのご依頼を受けることも多いですが、ウズベキスタンでも写真家として様々な活動をしてきました。
自分一人では現地で撮影をすることはできても、イベントを開催することは難しいですので、現地で熱心にイベントに誘ってくださったり、展示の実現のために懸命に動いてくださったりする方々の存在は本当に貴重です。
【写真家・秋野深 ウズベキスタンでの活動実績】 2008年 個展 ウズベキスタン共和国独立17周年記念展示 秋野深写真展(サマルカンド文化歴史博物館) 2014年 第7回タシケント国際フォトビエンナーレへ招待参加 2019年 写真集「ウズベキスタン・伝統の瞬間(邦題)」出版、サマルカンドの世界遺産・レギスタンにて写真集出版記念セレモニー開催 2024年 ヒヴァの世界遺産タシュハウリ宮殿にて常設写真展開始 |
― 現地で開催の写真展は、現地の方からはどのような反応でしょうか?
プロの写真家として活動を始めて、早い段階で2008年に個展を開催する機会に恵まれました。
2008年当時はレギスタン広場隣にサマルカンド文化歴史博物館があり、そこで個展を開催し、現地の新聞でも記事として取り上げられました。
晴天が多いウズベキスタンですが、その中でもあえて雲を意識し、私の写真は建物と雲を一緒に撮ることが多くあります。
現地の方も、雲が印象的に感じたようで、「どのようにして雲をとらえたのか?」と聞かれることも多かったです。
また、外国人が海外からわざわざウズベキスタンへ来て、長年写真を撮り続けていること、ウズベキスタンで写真展を開催することについて、現地の方からは感謝されることが多くあり、ウズベキスタンの人々のおもてなしの心を感じる一面でもあります。
― これまでで一番思い出に残る活動は何でしょうか?
どれも世界遺産などの有名な場所での展示やイベントなど自分でも想像もしていなかったような活動ですので、選ぶのはとても難しいですね。
ただ、今年4月にスタートしたヒヴァでの常設写真展は、途中コロナ禍の時期もあり、実現するまでは大変な道のりでした。
このプロジェクトはコロナ禍前から話を進めていましたが、コロナ禍により中断せざるを得なく、また話を進めていた現地のイチャンカラ博物館担当者の方が博物館から離れられてしまったという状況も重なり、コロナ禍明けの2023年12月から今年4月までは、特に実現へ向けて準備が大変でした。
コロナ禍を挟み、足掛け5~6年。実現できたのは、現地でも同じ情熱を持って動いていてくださる方がいるからこそで、そのような方が現地にいなかったら、実現は不可能だったかと思います。
自分ではどうにもならない困難な状況もあり、いざ実現した時の感慨深さは大きかったです。
また、熱心に動いてくださった現地の方には、感謝の言葉しかありません。
サマルカンドの世界遺産レギスタンで開催された写真集出版記念セレモニーの現地ニュース報道
ありがとうございました。
次回は、世界文化遺産ヒヴァ・イチャンカラでオープンした秋野深 常設写真展の、実現までの経緯や秘話などをお伺いします!
写真家・秋野深 Website
https://www.jinakino.com/
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