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写真家・秋野深写真展「ウズベキスタン・20年の記憶と視点 Fragments of Uzbekistan」のご案内

イベント・セミナー情報

2026/07/22

ウズベキスタンの撮影を長期にわたって継続されている写真家・秋野深氏写真展「ウズベキスタン・20年の記憶と視点 Fragments of Uzbekistan」(@Eleven Two ギャラリー(東京都江東区):2026年7月31日~8月2日)が開催されます。

これまで国内外で数多くの写真展を開催されてきた秋野さんのウズベキスタン撮影20年の節目となる、今回の写真展についてうかがいました。

1. 20年という長い期間、ウズベキスタンで撮影をされていますが、その間の現地の変化を写真家としてどのように実感されていますか。

初めてウズベキスタンを訪れたのは90年代の後半でしたので、もう30年近く前のことになりますが、写真家になってウズベキスタンでの撮影を本格的に始めたのが2000年代の半ばになります。
その頃と比べても、今では別の国のような感覚すらありますが、今回の写真展の準備にあたって過去の写真を見返していて、改めて具体的に現地の変化を痛感することになりました。
何よりも、写真を見ていて思ったのは、「あぁ、そういえばこの場所はもうなくなってしまった・・・」「この写真はもう撮れないな・・・」ということです。そのほとんどは開発、区画整理などで街並みが様変わりしていった結果で、とにかく開発のスピードだけでなくその頻度にも、現地に行くたびに驚かされます。

かつてのブハラ旧市街地の路地裏にて

ところが逆に、最近の写真を見ていると、以前は撮れなかったのに今だから撮れるようになったのだと実感する写真もあります。
例えば、以前は国境近くの山岳部の一部は外国人の立ち入りが制限されていたりして、近くまで行きながら引き返したこともありましたが、今ではそのエリアにアクセスできるようになっていたります。

今回の写真展で展示する黄葉美しいカシュカダリヤ州のゲロン村(隣国タジキスタンとの国境近く)はまさにそういうところでもあります。
今秋、そのゲロン村を訪れる撮影ツアーも企画されていますし、これまであまり知られていなかったウズベキスタンの様々な地域へ足を運ぶ方はこれから増えていきそうな気がしています。

黄葉に包まれるゲロン村眺望

2. 撮影をされている秋野さん自身の変化についてはいかがでしょうか。

最初は壮麗なイスラム建築の色彩や造形のインパクトが何より強く、自分なりの視点で建築美を表現することがウズベキスタンでの撮影の中心になっていました。
国内外で風景写真をメインにしていた当時の私にとっては建築という対象が新鮮だったということも言えると思います。
ただ、回を重ねてウズベキスタンを撮影するにつれて、訪れる場所も撮影者としての視点もバリエーションが出てくるようになっていきました。

撮影する時は基本的に1人なので、以前はどうしても行くこと自体が難しいエリアもあったのですが、以前に比べると移動手段が整ってきたり、現地での情報収集がしやすくなったりして、個人で行けるところが増えたという実感はあります。都市部から離れた場所での自然風景の撮影が徐々に増えていったのもそうした理由があると思います。
また、同じ場所でも以前とは違うものに意識を向けられるようになった、という変化もあります。これは写真の核となる「視点」の話になりますが、以前訪れた時もそこにはあったはずのものなのに、気づくこともなく、当然撮ることもしなかった、でも今は視界の中に入ってきたときに自然と意識が行くようになっている、というタイプの写真です。

今回の写真展で展示している作品の中では、建築物の壁に映る木の陰の写真などは、自分で見返していても、初期の頃にはあまり撮っていなかったタイプの写真で、どこで撮るどんな写真であっても、写真が自分自身の視点や気づきの記録であることを痛感させられる作品です。
今回の展示では、そうした視点の変遷も実感しながら展示写真のセレクトをしましたので、写真と一緒に撮影年も掲載するようにしています。

ヒヴァの路地の壁面に映る影

3. 他の国や日本国内でも撮影をされていますが、特にウズベキスタンでの活動を長く継続されている理由を教えてください。

他の国での活動との一番の違いは、やはりウズベキスタンでは、撮影以外に写真展など現地でのイベントをコンスタントに実施してきている点です。


【ウズベキスタンでの主な活動】
2008年 個展 ウズベキスタン共和国独立17周年記念展示 秋野深写真展(サマルカンド文化歴史博物館)
2014年 第7回タシケント国際フォトビエンナーレへ招待参加
2019年 写真集「ウズベキスタン・伝統の瞬間(邦題)」出版、サマルカンドの世界遺産・レギスタンにて写真集出版記念セレモニー開催
2024年 ヒヴァの世界遺産タシュハウリ宮殿にて常設写真展開始(現在、展示会場の移設準備中)


こうした活動がウズベキスタンのテレビやメディアで伝えられることも多く、現地の方に知っていただくことで、次の活動へと広がりやすい、継続しやすいということもあると思います。
イベントの実施にあたっては、現地の方に密にご協力いただくことになるので、今後も一緒に仕事をしていくための信頼関係を築く機会に恵まれたということは言えると思います。

4. まだまだ秋野さんのウズベキスタンでの活動は続いていくと思いますが、現在、具体的に進められているものがあれば教えてください。

ヒヴァで古写真についてのプロジェクトを進めていまして、様々な形でこれからご報告する場を作っていきたいと考えています。
ウズベキスタン初の写真家とされる約100年前のフダイベルゲン・デバノフという人の写真家人生を、彼の残した古写真や現地での私の撮影取材を通して紐解いていきたいと思っています。
これまでのいきさつや今後のプロジェクトの進展の概要を「100年前の光と影を探して – ウズベキスタン初の写真家フダイベルゲン・デバノフの生涯-」と題して、まずはNoteに掲載していきます。

もちろん一写真家の単独の撮影とは違いますので、私一人では進められないプロジェクトです。
ですが、やはり長い間ウズベキスタンで活動してきたこともあって、大変ありがたいことに心強い協力者の方と共にプロジェクトをスタートできています。ヒヴァの古写真研究の第一人者であるディルムロッド・ボボジョノフ氏(ホラズム・マムン・アカデミー上席研究員)もその一人です。
また、私の中では「いつの日か、できることなら直接お話をうかがう機会に恵まれれば・・・」と半ば夢のように考えていた、フダイベルゲン・デバノフの親族にあたるアブドゥラ・ユスポフ氏に昨秋思いもかけずヒヴァでお会いすることができ、その様子は古写真を通じての日本人写真家とヒヴァの人々との交流を描いた40分のドキュメンタリー番組として放送されました。

ドキュメンタリー番組からの抜粋

まだまだ始まったばかりのプロジェクトで、これから長期にわたる撮影と取材と調査が必要になりますが、これまで現地で長く活動を続けてきたように、これからも様々の方の協力を得ながら100年前を生きた写真家の人生に、ウズベキスタンを撮影してきた一写真家として迫りたいと思っています。

この古写真プロジェクトについては、今回の写真展会場とギャラリートーク内でもご紹介させていただく予定です。

こうして言葉にしながら自分の撮影、活動を振り返ってみると、改めて撮影してきた写真にしても現地で開催した展示イベントについても、まず1歩目があったから2歩目があり、その積み重ねが今につながっているのだと実感します。
その時々は意識していませんでしたが、すべてがつながっていたのだと思います。

今回の写真展は、そういうことを一度立ち止まって考えてみるとてもよい機会になっていると思います。


秋野深写真展 ウズベキスタン・20年の記憶と視点 Fragments of Uzbekistan

●会場
Eleven Two ギャラリー 〒135-0004 東京都江東区森下4-22-11
都営新宿線 菊川駅より徒歩2分 / 半蔵門線・都営大江戸線 清澄白河駅より徒歩15分

●会期
2026年7月31日(金)-8月2日(日) 11:00-18:30(最終日のみ17:00まで)
ギャラリートーク(予約不要、無料、座席なし):8/1(土) 16:00-16:45、 8/2(日) 14:00-14:45
※写真展ギャラリーにて、民族衣装の試着・撮影、珍しい工芸品を実際に手に取ってお楽しみいただけるコーナーもご用意しています。

●後援
ウズベキスタン文化観光局

詳細は、秋野深公式WEBサイトをご覧ください。

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